『激変する経営環境下のブランド戦略=グローバルとインターナルのふたつの視点から強化するブランディング』をテーマに開催されたBMF(社団法人企業研究会ブランドマネジメントフォーラム)の2009年春季セミナー(2月25日東京市ヶ谷アルカディアにて)の中で、「日・欧・中における最新のブランド進化論」と題した講演を行いました。講演内容は以下のとおりです。
〔ゴールが設定されていないブランディングなど無い。またこの激震の時代に成果を求められないブランド構築も無い。グループ求心力を高め、ベクトル合わせを図るインターナルブランディングに比重を置いた事案が増加する一方、事業成長の成否を決めるマーケティング直結型の事業ブランディングも増えている。国内外の事例を通して、今という時代が真に求める『ブランド進化』の形を考察する(事前案内より抜粋)〕
講演内容の構成は、
1.組織統合、グループ化におけるブランド構築
2.老舗ブランド(事業ブランド)のリバイタル戦略
3.中国市場における先進的ブランディング
4.最新の統合ブランディングサポート技法について
と、大きく4つのパートに分けました。
組織統合・グループ化ブランディングでは、スイスの医薬メーカー「ノバルティス」と同じくスイスの時計製造グループ「スウォッチ」の事例を紹介しながら、1つの組織への融合を目指したOne Brand戦略と、その拡張性を追求したMulti Brand戦略を対比してみせました。中国市場関連では、弊社関与事案でもある「ピジョン」と「INAX」におけるブランディングプロセスを紹介しながら、日本とはまったく異なる市場と消費者像について分析。中国市場向けブランドモデル構築の必要性を強調しました。
最後のパートである統合ブランディング技法については、ブランドの世界観を描き出す「GRAMCO Style Control」の概念に言及。「イマジンセッション」「イマジンカード」という、グラムコ独自の最新技法を解説し、ブランド接点を統合的につなぐ効果を論じました。イマジンセッションは、「言葉」と「色」の結びつきを調べた弊社独自調査に基づくスタイル開発プロセスであり、多人数参加型で自社の「現在」と「未来」の色や画像の集合体を導出することが可能です。
最後に総括として、時代が求めるブランディングは、対外的にはブランドコミュニケーションロスを最小限に抑えながら、事業の改善・成長に寄与する効果を、対内的には組織のベクトルを合わせながら、求心力・突破力の双方を獲得する効果を持つ、実効性あるものとしなければならない、と結びました。
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