新年明けましておめでとうございます。2009年(平成21年)の幕開けです。
昨年米国で始まった金融危機に端を発して、今世界の経済は総崩れの状態です。実態のないものが膨らんだ結果、実態の無い金が世界にばら撒かれ、それが弾け飛んで大変なことになっています。
日本は実態経済を裏付けとしながら、常に堅固に歩み続けてきました。従って、本来日本経済はびくともしないはずなのですが、貿易立国として世界を相手にしてきたがために、応分のリスクを背負ってしまっています。
景況感は人の消費心理に多大の影響を及ぼすものですが、まさにそれが現下の不安定政権の下に掻き立てられています。実態の先行が妄想を生み、巨大化した妄想が一層経済と消費を冷え込ませる悪循環に突入しているのです。
「ブランドは、人と真実で出来ている」
これは、常にグラムコが、虚業を戒める意味で、事あるごとにアピールし続けてきた言葉です。事実として、ブランド戦略やブランディングは、日本のバブル崩壊以降に脚光を浴びた企業戦略であり、不況期に強い、あるいは不況を乗り越える戦略として導入されてきました。
意外に思われる方がいるかも知れませんが、今また、ブランド戦略が注目されつつあります。統合合併、M&A、グループホールディング化など、さまざまな局面において必要とされています。さらに、事業基盤を強化しようとする企業が、事業再生ブランディング、商品・サービス差別化ブランディングとして、マーケティングと直結した手法で取り組み始めています。こうした世相だから「今がチャンスだ」と言い切っている企業さえあります。
ブランド戦略への注目の証は、当社が、昨年11月半ばから12月半ばにかけて、わずか一ヶ月間で7回もの講演依頼を戴いたことです。講演活動に重きを置いていなかったため、これまでは大凡1ヶ月に1、2回のペースでしたが、それがリーマンショック以降、急激に2倍から7倍にも増えたのです。私どもブランドコンサルも、この事態を前に慌てないといえば嘘になります。しかし傍らで、この景気大混迷の時期にこそ、ブランド戦略が必要だとも実感している次第です。
・不採算事業の活性化をブランドで。
・統合合併の効果を短期間で出すためにブランドを。
・グループブランドの活用で関係希薄なグループ間結束力とシナジーを。
・シフト市場である中国で、短期のうちにブランド確立と成果を。
いろいろありますが、私どもは皆様のブランディングを長期的にフォローし担保し続けるためにも、22年の歴史と顧客基盤を背景に、当社としての経営環境を健全に保っています。
皆様のブランディングの一助となる、「グラムコ・イマジンセッション(TM)」(5人でも10万人でも参加できる、参加型ブランド世界観構築手法。ブランドの印象管理のための独自開発の最新手法)で強力にサポートさせて戴いています。あるいは、インターナルブランディングプログラム、ウェブブランディング、スペースブランディング(空間からブランドを伝える手法)、イントラネットマニュアル・ガイドなどなど、数多くの私たちの新手法も、企業のブランドを強化するのに奏功しています。
また、前述のとおりビジネスの中国シフトが進むなかで、当該市場におけるブランドリポジショニング、ポジショニング、ブランドマーケティングについては、鋭意弊社現地法人のグラムコ上海有限公司(格拉慕可企業形象設計諮詢上海有限公司)の上海・北京両拠点が現地視点でしっかりお手伝いしています。
本年が昨年よりもより良い年であることは、現下の経済環境に照らして大変難しい状況ではありますが、皆様にとって、きっとよりよいブランドソリューションが編み出せる年であると、私たちは信じています。ピンチをチャンスに。
本年も、アジアナンバーワンを目指す、もっとも前向きな日系ブランディングファーム・グラムコを、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2009年 元旦
グラムコグループ
グラムコ株式会社
ディーグラムコーポレーション
グラムコ上海有限公司(上海・北京)
代表取締役社長/董事長
山田敦郎