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2021

日経ESG経営フォーラム研究会でグラムコ代表山田が講師を務めました。

2021.4.7

2021年4月6日、日経BP主催による日経ESG経営フォーラム研究会「日経ESG 最新号を読み解く研究会 3」が開催されました。弊社代表山田は「パーパスブランディング、いま求められるわけ」と題して、日経BP 総合研究所 主席研究員 杉山俊幸様との対話形式で講師を務めました。

この研究会はオンラインによる「セミオープン形式」で開催され、日経ESG経営フォーラム会員企業の皆様と、同フォーラムが招待した方々を合わせて約200名が受講されました。セッションではグラムコの紹介に続いて、企業の間で注目が高まる「パーパスブランディング」について、事例を交えながら詳しく解説しました。

欧米では10年ほど前から従来のミッションステートメント(MVV)に変わり、企業の理念体系の基盤にパーパスを採用する企業が増えています。日本でも、2019年ごろからグラムコが支援した東芝グループをはじめとして、パーパスを掲げる企業が増えてきました。その背景には、企業をとりまく社会的な要請が株主価値の最大化から持続可能性への貢献に変わりつつあること、新しい価値観を持ち、自らの判断でブランドを選別するZ世代が消費や採用ターゲットの中心に移りつつあることなどが挙げられます。

こうした中で、自社の存在意義、すなわちパーパスを掲げることは、グローバル戦略の一環としても重要ですが、社内の求心力を高め、経営のベクトルを揃えるという意味でも、非常に重要です。また、SDGsに対する取り組みの根拠を示し、ESGの観点から企業を選別する機関投資家に向けた自社のストーリーを語ることができるのです。

最後にコロナ禍におけるパーパスの役割についても解説しました。平常時には、その企業ならではのパーパスを持つことで、自社の強みを生かし、本業を通して社会課題を解決するという取り組みに、強い推進力を与えることができます。一方、コロナ禍のような危機的な状況においては、組織全体が素早く行動を起こすことが求められますが、パーパスを共有する企業は組織の各階層で「やるべきこと」「やるべきでないこと」の判断を正しく下すことができます。コロナ禍で自社の生産設備を転用してアルコール消毒液やマスクを製造した企業が賞賛を浴びたように、パーパスに基づいて対策をとった企業は、本業から離れた活動だったとしても、ブランド価値を高めることに成功しました。このように、パーパスは危機状況下の事業転換(=PIVOT)の「軸」としても機能することが明らかになっています。